こんにちは!
皮膚科医として働いていますmiwaです。
皮膚科によく来る患者さんの症状の1つとして「ニキビ」があります。
私も学生時代はずっとニキビに悩まされてきました。
中学生くらいからほっぺにぶつぶつができ始めて、当時は病院に行くなんていう発想はなかったので、ずっとひどいまま学生時代を過ごしました。
もちろんそんな顔だから、写真にうつるのも大嫌いで、いつも顔を隠すように。
大学生になってもニキビは変わらずあるものの、どうやって治していいかわからず。
ネットでニキビに効果のある化粧水や洗顔料を使ってみたけど、あまり効果が感じられないまま、いつの間にかあきらめてしまう。
そんなことをくり返していたいましたが、皮膚科医になってニキビの患者さんとたくさん出会うようになり、同じように悩んでいるひとが多くいることを知りました。
ニキビに悩んでいるけど、どうしたら良いかわからない。
この記事は、そんなお悩みをもつひとにもわかりやすくニキビ治療について解説していきます。
ニキビに悩んだらまず皮膚科へ
ニキビでどうしていいかわからないあなたは、まずは皮膚科を受診しましょう。
理由としては、今は効果の高いニキビ治療薬があるからです。
保険の範囲内で、十分にニキビを減らす、できにくくさせてくれる塗り薬があります。
私が中学生くらいの時は、ダラシンという抗生物質の塗り薬しか使ったことがありませんでした。塗ってはみるものの、あまり効果ないなと思ってすぐにめんどくさくなってやめてしまっていました。
効かない薬を続けるのは、すごく根気がいることですよね。
ニキビにはある程度、根気と時間が必要ですが、自分に合う薬を使うこともとっても大事なことです。
ちょっとだけニキビのできる仕組みついて説明します。
にきびはどうしてできるのか
ニキビのはじまりは毛穴のつまりです。これがいわゆる白ニキビと言われる状態です。
皮脂が多くなったり、毛穴が狭くなることで、毛穴のつまりができます。
毛穴がつまると、常在菌であるアクネ菌が増えることによって、炎症が起きます。
これはいわゆる赤ニキビの状態です。
それが悪化すると、膿をもったニキビになります。
つまりニキビの治療には、この最初の毛穴のつまりを解消してあげることがとても大事になります。
どんな病院を選ぶべき迷う時は
私の個人的な意見としては、美容皮膚科が一緒になっている皮膚科の方がにきび治療には力を入れている印象があります。
私の勤務する皮膚科でも、初めて受診された患者さんには、ニキビの治療について丁寧に解説していきます。
にきび治療は、本来数ヶ月単位の治療ですが、患者さんの中には、1ヶ月塗ったけど良くならない、、、と他の病院から受診されることもあります。
そういったにきび治療への誤解がないように、少しでも説明がある皮膚科を選んで欲しいなと思います。
では、そのニキビに対してどんな治療が皮膚科ではできるのか紹介していきます。
保険の範囲内で使える塗り薬5つを紹介
保険の範囲内で1番効果があるのは、塗り薬になります。
飲み薬ではなく、塗り薬です!
皮膚科で使う塗り薬としては、次のようなものがあります。
- デュアック配合ゲル
- べピオ
- ディフェリンゲル
- エピデュオ
- 抗生物質の塗り薬
デュアック配合ゲル
デュアックは、抗生物質であるクリンダマイシン、とべピオ(過酸化ベンゾイル)が2種類混ざった塗り薬です。これは一般的にはニキビ治療のはじめの時期に使うことが多いです。
理由としては、抗生物質の塗り薬はずっと使うと耐性菌と言って、塗り薬が効かなくなる場合があるからです。
べピオ(過酸化ベンゾイル)
これは維持期と言って、最初の3ヶ月程度の治療を終えたあとに使うことが多いです。もちろん症状によっては、最初からこの薬を使うこともあります。
このべピオという薬には、アクネ菌などに対して効果があります。
さらに角質を剥がしていく作用があるので、毛穴のつまりも改善していきます。
患者さんの中には、肌がツルツルして良いです、といった感想を持つ方もいます。
ディフェリンゲル(アダパレン)
ディフェリンはビタミンAの誘導体であるレチノイドの一種を成分としたが薬です。レチノイドと聞いても、ピンとこない方もいると思うので、また他の記事で解説していこうと思います。
これも毛穴のつまりを改善していくお薬になります。
エピデュオゲル(過酸化ベンゾイル/アダパレン)
これは、べピオとディフェリンの成分がどちらも配合された塗り薬です。
べピオやディフェリンで、改善が見られない場合はエピデュオを使うことが多いです。
私もこのエピデュオを最終的には使っていました。
その他抗生物質の塗り薬
これには、アクアチム、ダラシン、ゼビアックスが入ります。ただ、これらの塗り薬はあくまで上の3つの塗り薬の補助として、私は考えています。(症状や年齢にもよります。)
塗り薬以外には、症状に合わせて漢方やビタミン、もしくは内服の抗生物質を使うこともあります。
患者さんの症状に合わせて、選択していきます。
ヒリヒリしてどのお薬も使いづらい人は
抗生物質以外の塗り薬には、刺激感(ヒリヒリしてしまう)や、赤みや乾燥が気になる場合があります。
それで途中で挫折してしまう人も多いです。
その場合の対処方法を2つお伝えします。
- ショートコンタクトセラピーに切り替える
ショートコンタクトセラピーとは、洗顔後に保湿をしないで、そのままお薬を塗ります。
お薬を塗って15分後に、ぬるま湯でまた洗い流していきます。
その後にいつも通り化粧水、乳液などを塗っていくという方法です。
ちょっと手間はかかりますが、刺激感が改善されて、お薬が使えるようになる場合もあります。
- 塗る頻度を落とす
刺激感に慣れるまでは、少し時間がかかることがあります。
最初ヒリヒリしてしまっても、塗っていくうちに平気になる場合もあります。
もし最初ヒリヒリ感が気になったら、毎日ではなく、数日間隔を空けて塗ってもOKです。
私が患者さんとして、病院に通っていた時に処方されたのはダラシンだけでした。
あの時のおじいちゃん先生がもうちょっと熱心に治療してくれたらな、なんて思ったり。でも、根気よく通院しなかった自分もいけなかったなと反省してます。
私は、医師として働き始めてから、べピオの存在を知って使い始めました。
最初は、なんか赤くなってむけてくる!!
とよくわからないまま使っていました。
だんだん慣れてくるんだな。
ということを知ったので、少しお休みしながら続けてみました。
すると数ヶ月経つと、だんだんニキビができにくくなったのがわかりました。
それでも、すごく忙しい時にはアゴのまわり(いわゆる大人ニキビができやすいところ)がひどいことになることはありました。
しかし、治りは使っていない時よりは確実に早い。
そして、より強い効果を求めてエピデュオを塗るようになりました。エピデュオはとくにヒリヒリや赤みなどの刺激はなく使えました。
今はあまりニキビができないので、エピデュオの出番も少なくなりました。
でも、このニキビができにくいという状態になるまでは、ニキビに悩んでばっかりいました。
ニキビがあるとメイクもしづらいし、大事なイベントの前に大きなニキビができると悲しくなりますよね。
もっと早くニキビの塗り薬に出会いたかったなとよく思います。
まとめ
ニキビの治療については、ネットにいろいろな情報があるので、どれを信じていいかわからないこともありますよね。
基本的なスキンケアを見直して、塗り薬を使うだけで十分にニキビがきれいになることもあります。
ニキビに悩んで皮膚科を受診する患者さんがいる一方で、ネットやインフルエンサーの情報を信じて、間違った治療をしている患者さんもいました。
そんな患者さんを見るたびにもったいないな、と心から思います。
私はまずは皮膚科で治療してみて、効果が少なければ自費の治療を組み合わせるのが効果が高いと考えています。
ニキビをくり返していて、なかなか治らないと悩んでいる場合はぜひ皮膚科に相談しましょう。
この記事を読んだら、近くの皮膚科を検索してみてほしいなと思います。
何事も小さな一歩からスタートです。
がんばりましょう!
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